How to 人の愛し方

朝日を浴びて 猫にキスして 夜に恋する

天気は曇り。

気分も曇りだったので
図書館へ行って詩集を借りる。

春と修羅が読みたかったけれど、
この図書館にはないということだったので
市立図書館からの取寄せ予約をしておく。

数冊借りた中で、俵万智のサラダ記念日を選んで
好きな詩をノートに書き出した。


皮ジャンにバイクの君を騎士として
迎えるために夕焼けろ空

「また電話しろよ」「待ってろ」
いつもいつも命令形で愛を誓う君

思い出の一つのようでそのままに
しておく麦わら帽子のへこみ

「寒いね」と話しかければ「寒いね」と
答える人のいるあたたかさ

咲くことも散ることもなく天に向く
電信柱に吹く春の風

愛ひとつ受け止めかねて帰る道
長針短針重なる時刻


書き出した詩を音読する。

体中に染み込ませるように、
丁寧に声に出す。

要らないものを浄化するように涙が溢れる。


ロフトで猫と布団に寝転がりながら、
ただひたすら、救いを乞うように、
本をめくる午後3時。

わたしの背中をアスレチックにする子猫たち。
(2匹)
床を走る小さくてせわしない子猫らしい足音。

隣で柔らかい身体を丸めて眠る成猫。

成猫らしいゆったりとした穏やかな寝息。

この平穏を永遠に願うわたしの不穏な鼓動。


ドキドキ

ドキドキ